第3次東日本大震災被災者仮設自治会訪問―第6回

2013年9月9日の訪問先として3番目、最後となるところは、前回(第5回)記した亘理町公共ゾーン仮設住宅からおよそ15分位(?)の場所にある「NPO法人・亘理いちごっこ」でした。

そこまで公共ゾーン仮設の「ふれあいの会」の木村一行さんのジープに乗せていただいたことは前回書きましたが、木村さんは「いちごっこ」の代表理事・馬場照子さんとは仮設支援で緊密な連携をもって取り組んでおられました。





私たち「NPOまちづくり神戸」とはすでに「いちごっこ」の馬場さんとも一度であっていて、今回は2度目ですが、わたしは初訪問でした。懇談のはじめしばらくは木村さんも同席して下さり、馬場さんたちが大震災の被災の後、被災者への食事提供のボランティアの取り組みの経験や、そこから一歩踏み出して、2011年7月にはNPOの設立総会を開いて同年12月には設立認可を得、新しい交流の場づくりを進められていった経緯と、現在の建物はリースのプレハブですが、いっそう地域のコミュニティー形成に継続的にかかわるために「いちごっこコミュニティセンター」を建設する皆さんの大きな夢など話して下さいました。




上の新聞記事は、一つは2012年11月14日付けの「読売新聞」で、もう一つは今年2013年4月10日付けの地元「河北新報」です。

読売の記事は、「いちごっこ」の続けるカフェレストランでの手作り料理や仮設集会所などでの[寺子屋]、そして被災者同士の「お話聞き隊」の活動などをとおして「大きな家族」を目指したいという地道な活動が「あしたのまち・くらしづくり活動賞として総務大臣賞を受賞したというもので、河北新報の記事は、震災のためやむなく町外に避難した人たちを、地元亘理中央公民館で二日間にわたって開催した「第5回:わたりHome Coming Day」(3月23〜24日)の記事で、来年(2014年)2月には仙台市内で「被災地ホームカミングデー」と銘打ち、岩手・宮城・福島3県などで活動する団体が結集して開催する、という記事です。亘理での第6回目は亘理中央公民館で先月(8月)3日4日の両日盛大に開催されたそうです。





「いちごっこカフェレストラン」の最新の特製の一品を御馳走になりながら、NPO組織と行政との関係のあり方や時間と共に変化する仮設住宅やみなし仮設(ここでは700〜800?)の居住する方たちとのかかわり方のほか、「いちごっこ」の今後の方向性として、神戸でも小さな取り組みを続けている「まちの縁側」(延藤安弘先生の提唱でひろく知られているまちづくり運動)ことなど、立ち入った意見交換ができました。

「いちごっこ」の活動は早くから注目を浴び、NHKテレビでも紹介されたことがあるように思いますが、大学の学生たちや研究者、なかでも「社会教育」の分野で、馬場さんも「コミュニティは大きな家族」というレポートを執筆しておられる共著の著作も出版されたり、冊子なども出されているようです。




このような自由な市民による自発的な非営利の活動は、多くの壁にぶち当たりながら、ドラマいっぱいの取り組みで魅力いっぱい、今後の進展が注目されます。(詳しくは、ホームページ「NPO法人亘理いちごっこ」を参照)


ここでも神戸からのささやかな支援金を本多先生から馬場さんに手渡して、私たちは仙台のお宿(昨夜と同じ東急イン)に向けて車を走らせました。

最後にここで寫した写真を数枚と、仙台に戻る車窓からみる夕陽を収めて置きます。そしてこの夜も4人で、質素に仙台の夜を・・・。