「KAGAWA GALAXY 吉田源治郎・幸の世界」(46)シュバイツァー「原生林の片隅にて」を読む


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KAGAWA GALAXY吉田源治郎・幸の世界」(46)


http://k100.yorozubp.com長期連載(150回)補充資料


第5回 「シュバイツァーの「原生林の片隅にて」を読む」(17)
吉田源治郎訳 シュバイツァー著『宗教科学より見たる基督教』
(原題『世界の諸宗教と基督教』)付録。大正14年9月8日、
警醒社書店より刊行


 シュワイチェルの「原生林の片隅にて」を読む


                               吉田源治郎


          十− 土人間の教育事業


 どんな風に学校が経営されてゐるか――こヽでは、児童の通學は全く不可能である。何故かと云ふに児童の居村と学校との距離があまりに遠いからである。ランバレンの伝道地所属の村と云ふのが、六、七十哩も離れでゐる。で、児童たちは、余儀なくラムバレンの学校内に寄宿しなければならない。親たちが、十月に連れて来て、翌年の七月、彼等の漁猟遠征が始まる頃に連れ戻る。寄宿賄満端を学校から受ける代わりに、学童は、男女とも,色々の割り当てられた仕事をやる。毎日の日課は大体次のやうである。


 朝七時―九時、草刈、及叢刈除 之れは仕宅、学校を森の侵撃に備えるため、。
  九時−十時、休息、朝食、
  十時―十二時、学課、
  正午―一時、運動、娯楽、主として水浴と漁猟、
  午後二時―四時、学課、その外、約一時間半の仕事、
 この午後の労働は,ココの栽培園の手入れ、建築の手伝い――煉瓦運び、土堀その他。これが終わって、翌日分の食料がそれぞれ配給される。              、。

 午後六時−夕べの礼拝、その後、夕食にとりかかる。、バナナを料理する。そして、全生徒を、五、六人の小団に分けて、一団毎に一つの鍋と火穴を持たせる。
 午後九時――就眠、蚊幮張りの板寝台の上で寝る。


 日曜午後は、カヌー遠乗をする。女教師は、少女の乗組員と共に出かける。乾期であれば、川原の砂原で遊ぶ。男の子供たちは、色んな故障で屡一週間も学業を休まされる。例えば、伝道者が巡回に行く折とか、カヌー遠漕が何かのために必要な場合などに。いつになったら凡ての伝道地に一つづつのモーターボートを所有することが出末るやうになるだらうとシュワイチエルは嘆息する。


   (つづく)