「KAGAWA GALAXY 吉田源治郎・幸の世界」(31)シュバイツァー「原生林の片隅にて」を読む



KAGAWA GALAXY吉田源治郎・幸の世界」(31)


http://k100.yorozubp.com長期連載(150回)補充資料


第5回 「シュバイツァーの「原生林の片隅にて」を読む」(3)
吉田源治郎訳 シュバイツァー著『宗教科学より見たる基督教』
(原題『世界の諸宗教と基督教』)付録。大正14年9月8日、
警醒社書店より刊行


 シュワイチェルの「原生林の片隅にて」を読む


                            吉田源治郎


       − 見棄てられたる門前のラザロ


    (前回につづく)


 彼は一九一七年帰郷して二年間を専ら病気保養に費した。が、少し健康が回復すると共に、忙しい日が迎えられた。彼は、寧日なく、アフリカの救済事業の資金を得るための講演旅行に登らねばならなかった、講演演奏の依頼が、独佛英各地から来る。
                                        

 一九二二年の春には、オックスフォードのマンスフイルド・カレッヂから講演を申込まれて、彼は、『文明の哲學』を数回に亘って講演した。バアミンガムのセリー・オーク・カレッヂでは、『基督教と世界の諸宗教』を講演した。同じぐ同市では、バッハの演奏もした――それは、『単に優秀なテクニックの展示でなくて、礼拝と聖礼典に臨んでゐるやうな霊的な感激を聴衆に輿へた』とその演奏を聞いた有名な音楽批評家に評された。


 前述のオツクスフオード講演は、それぞれ、文明の哲学―第一巻、「文明と倫理」、同じく、第二巻、「文明の崩壊と回復」と題して英語で出版された。


    (つづく)