岩田健三郎さんの絵本『いのちが震えた』紹介(5)「解放の道」全国版1995年8月5日



岩田健三郎さんの絵本『いのちが震えた』紹介(5)


         「解放の道」全国版:1995年8月5日






          記録『いのといが震えた』絵本
           絵本に託した震災の記録


          たくさんの失った物以上に
          いっぱいの気持ちをもらった


 震災十日目に、スケッチ帳をもって神戸にたどり着いた姫路市在住の版画家・岩田健三郎さんが、須磨寺近辺の被災のようすを、絵と文で克明に描いた記録「いのちが震えた」が一冊の絵本になりました。発行元は鳥飼慶陽(兵庫部落問題研究所事務局長)・トモ子さん夫妻主宰の「小さな出会いの家」です。


 岩田さんは崩れた町並みをたどりながら、人びとのようすをはり紙一つにいたるまで、かきとつています。


 岩田さんは兵庫部落問題研究所発行の月刊誌「部落問題」で毎号「皮の河」のタイトルで、版画と短文を連載しています。


 長田区で自宅全壊の被害にあい、岩田さんの見舞いを受けた鳥飼さん夫妻が、これらスケッチの下書きを見て、「たくさんの物を失ったそれ以上に、いっぱいの気持ちを全国各地からもらった感謝のしるしにしたい」と出版を申し出たものです。


 出版を快諾した岩田さんは、鳥飼さん宅のネコで、いまも全壊の家に住み続けているピコをイメージしたネコを登場させ、全文を書き直しました。


 付録として、これも岩田さん自筆の小冊子「震災から百日目」がついています。


 定価千五百円、問い合わせ〜「小さな出合いの家」・078・351・5265(兵庫部落問題研究所内)