「住み続けたいまちに」(平成6年、番町住宅推進協議会『20年のあゆみ』)


宮崎潤二さんの作品「雨上がりのイギリス人移民開拓記念館:ニュージーランドクライストチャーチ市にて」





        番町地区住宅推進協議会


  「明るく住みよいまちをめざして・20年のあゆみ」


          平成6年8月







  住み続けたいまちに



 「住推協」の前につくられた「住促協」のときから、この大事な取り組みに加わることになって、ずいぶん長い年月を重ねることになった。当初、四番町3丁目西部の自治会づくりと、ちょうどそのころ19号棟の建設が着手されるときで、中浜さんや脇田さん、漆間さんや大森さんなどと、自治会や子供会の活動に参加して、手作りの新聞などを発行したりした、あのころの楽しい思い出が浮かんでくる。


 お互いに励ましあって車の運転免許を取りにいったり、生活を支えあうための厚生資金利用者組合に入って、いろいろ助けられたりして、アッという間に四半世紀が過ぎていったように思われる。とりわけ、「住促協」のころの、協議会の会長であられた松本算次郎さんの、存在感ある指導力が、いまでも強く印象に残っている。


 そして、「住推協」ができてからだけでも早や20年が経った。この地域をすこしでも住みやすくしたいという共通の願いを抱いて、いろんな立場や考え方の人たちがこころを通わせ、一致してここまでこれたことが、私たちの誇るべきなによりの宝物である。


 もちろん、この困難な事業がここまで実現されたのは、日夜労苦を惜しまず、献身的な努力を積み重ねられた住宅局の職員の方々の変わらぬ熱意あってこそであることは、あらためていうまでもない。私たちのこれからのはたらきをもって、その労に報いてゆきたいと思う。


 この間、志なかばにして先立たれた先輩も少なくないが、私たちはその願いを受け継いで事業の完成にこぎつけ、いつまでも安心して、末永く住み続けたくなるまちにしていくために、住民のひとりとして、ともに微力を注ぐことができればうれしい


               住宅推進協議会副会長 鳥 飼 慶 陽