私の青春とキリスト教(『講座:青年』第4巻「青春はどこへ」所収第5回本稿最終回

今回もはじめに、藤原昭三先生のスケッチを1枚、掲載させていただきます。


私がこの原稿を書き上げたのは1990年でしたが、本文でも幾度か引用している畏友・延原時行さんの著書『仏教的キリスト教の真理ー信心決定の新時代に向けて』が、京都・行路社から初版のでたのは、1987年のことでした。

その2年前(1985年)に、延原さんの手によって、ジョン・B・カブJrの名著『対話を超えて―キリスト教と仏教の相互変革の展望』が同じ行路社より翻訳出版され、彼の著作は、その解説研究書としての位置をしめるものでした。

このふたつの著作は、研究者のあいだでも注目され、今日も重要文献のひとつになっています。延原さんの著書の方は、1999年に再販されていますが、初版が出た当時、延原さんはベルギーのルーヴァン大学やテキサス基督教大学、またクレアモント神学院で教鞭をとっていて、彼が日本に帰国するのは、新設大学・敬和学園大学の開校のために呼び戻された1991年のことでした。




本書は延原さんの邦語では主著である、と私は見ていましたが、その後続々と、彼の単著・共著がでてきましたから、より新しい著作が彼の主著であるとみなして置くのがよろしい、と思うようにしております。何しろ彼の省察と思索は、日に日に進展する趣があり、とどまるところを知りません。

時がきましたら、別に作っているブログ「滝沢克己」や「賀川豊彦」などとは別に、さらに新しく「延原時行」のものを開くことになると思います。考えてみますと、いま綴っている四つのブログ全体が、そういうものになっているのかも知れません。

特に今回掲載している「私の青春とキリスト教」は、日本を離れて欧米で活躍している彼との交流の中で生まれてきたものだと言えます。

5回に分けて掲載しましたが、以下の数頁分で、この論考は終わりになります。