「KAGAWA GALAXY 吉田源治郎・幸の世界」(17)



KAGAWA GALAXY吉田源治郎・幸の世界」(17


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第3回 保育に於ける自然研究(5)


『子供の教養』(昭和14年11月号)


          保育に於ける自然研究


                      吉 田 源 治 郎


(前回に続く)


          二、自然研究の態度


 保育に於ける自然研究はあくまでも幼児の生活環境として、偶然に、又は意図的に、その周囲にもならされる自然観察及び接近から始まるものであって。決して、それは、小学校の理科でもなければ中等學校の博物学教授でもない筈である。殊にそれは、性格教育と、宗教教育の立場から重要視さるべきである。


 私は、フレーベルの「人の教育」(小原国芳氏訳、玉川學園出版郎、昭和五年)の中の自然研究、自然観察に関する所論を読んでみて、今更の如く、彼の達見に胸打たれ、保育に於ける自然研究の態度及原理を思ふ者に、新鮮な示唆を與へずに措かない。


 次は、上掲「人の教育」中、第四章生徒としての人、第三節第二項「自然料学及び数學」の項からの摘記である。一八三〜一六八ページ参照。(尚、第四節家庭と學校との連絡及び此際用ふべき教授科目第二、(イ)主教心の喚起及び育成、三一二ベーヂ(ハ)自然及び外界の観察(ニ)自然と生命とを捉へたる短かな詩的表現を、特に唱歌の目的で暗証せしむること、(ホ)自然及び外界の観察、三八一〜三八八(ル)小さな旅行と大きな散歩四五四ページなども、保育者に對して、ある霊感と、ゆたかな示唆を与える言葉に富んでゐる。)
 (尚、長田新氏訳「フレーベル自傳」をひもとくと、その中の片言隻語の中にも私たちは、彼の白然哲学に関する貴とい閃光をあちらこちらに発見することが出来る)


    (つづく)