『私たちの結婚ー部落差別を乗り越えて』(「はじめに」「序章・結婚と部落差別」1「基礎的な理解」

本書は、私にとって初めての編著となる、想い出深い作品です。


1976年9月、この本は出版されました。
1975年のほぼ1年をかけ、紹介いただいた20組ほどの結婚家庭をお訪ねし、結婚に至るそれぞれのおのろけ話を含めて、当時まだ一部には、祝福されるべき結婚が、部落差別によって破られていく悲しいできごとのあるなかを、それぞれにその壁を乗り越え、幸せをつかんで歩んでおられる、生きた事実を、たっぷりと聴かせてもらいました。


その中から、書物のかたちで公開してもよいという13組のお話を、録音テープから起こして纏めて、私の短い序章を添えて仕上げました。


当時の時代の求めもあってか、今では考えられませんが、初版が1万部、それも類書がなかったこともあったのでしょうか、後にも増刷されて、広く読まれ続けました。


今から35年も前の古い書物ですから、絶版となって久しい本ですが、ここには「はしがき」と「序文」だけを、少しずつ分けて掲載することにいたします。


前回まで5回に分けて掲載した「断章:結婚・差別・部落」は、結果的には、この本づくりのために下準備となりました。


本書は、藤原昭三先生の表紙デザインで、「市民学習シリーズ」の第2巻として刊行されました。色合いはもう少しピンクとブルーが鮮やかですが・・。まず、その表紙から、掲載いたします。






それでは、「はじめに」と「序章 結婚と部落差別」の「1 基礎的理解」のところを掲載いたします。














次回は、この頁より掲載します。