『私たちの結婚ー部落差別を乗り越えて』編纂から20年(『月刊部落問題』1997年5月号所収)2『ゆるぎなき結婚』(M・ピカート)

今回の箇所は、マックス・ピカートの『ゆるぎなき結婚』(昭和32年、みすず書房)に触れた箇所です。





私のこの作品との出会いは、むかし1960年ごろの学生時代のことです。1964年に結婚家庭をスタートさせる前のことで、以来ずっと、若い学生のみなさんにも、このマックス・ピカートにまつわる話を続けてきました。


『ゆるぎなき結婚』はロングセラーの作品ですから、読まれた方も多いと思いますが、これはピカートの戦前(1942年)の作品で、1934年に書かれた『神よりの逃亡]』や1937年の『人間とその顔』をはじめ、戦後に書かれた『われわれ自身のなかのヒットラー』『沈黙の世界』『騒音とアトム化の世界』など、大半が佐野利勝訳で邦語で広く親しまれてきました。


ピカートはスイスの医師でしたが、哲学・思想界で大きな影響を残したひとりで、賀川豊彦と同じ年(1888年)に生まれ、賀川より3年長く、1963年まで活躍しました。


ここには、ピカートの写真が表紙に入っている『神よりの逃亡』の表紙のみを収めて、以下に本文を掲載します。

















次回は、この頁から掲載します。