宗教界の部落問題ー「対話」ははじまるか(雑誌『部落』1997年11月特別号所収)第2節「部落解放同盟の宗教教団への差別糾弾闘争」

今回もはじめに、藤原昭三先生の若き日の「中学生スケッチ」の1枚を掲載させていただきます。




この章は、「部落解放同盟の宗教教団への差別糾弾闘争」という見出しになっていますように、前回の「宗教教団の解放同盟との連帯行動」と同様に、単なる状況報告のようなザラザラした論考になっていますので、これをいまご覧になって、あまり益するところはないものかもしれません。宗教教団内部の諸事情も複雑にからんでいて、部外者には十分理解の届かない部分を含んでいます。


しかし教団内部の問題が、このように次々と外部に露見していくのも「1996年の部落問題」の特徴だったのでしょう。後に『同和利権の真相」などといった著書が続々と一般書店にならび、それらがまた文庫本にもなって、広汎な人々に読まれていくような状況が生まれてきましたので、21世紀の今日ではそれほど驚くことではなくなっているかもしれません。


ここでは特に「西本願寺宗会議員除名問題」といわれるものと、もうひとつ「浄土真宗本願寺派連続差別事件」といわれたものを、取り出しています。