『「対話の時代」のはじまりー宗教・人権・部落問題」(1)



1995年1月17日の大震災のとき、仕事場の倉庫のような場所で過ごしていたが、漸く避難先に落ち着くことができて、1997年の正月の寸暇を得たので、以前から求められていた私への宿題に取り掛かり、不十分ながら書き下ろすことのできた小さな作品が『「対話の時代」のはじまり―宗教・人権・部落問題』であった。


この度、別のブログ「番町出合いの家 TORIGAI」の最近のところで、酒井一先生を偲んで、晩年に先生から頂いた御書簡を紹介した折り、先生が本書について言及された箇所があった。


そんなこともあってか、書き上げてから既に16年も経た今頃になっても、これを手にして読んでみたいという御方がでてきた。ところがあいにくこの冊子は、初版3000部を発行しただけで増刷はされず、現在版元では絶版となっているものである。


そこで思案していたところ、万一こうした媒体でアップすることが可能であれば、ご希望の方にはパソコン上で読んでいただけるのではないか、試しにまず1頁ごとスキャンして、「はてなのブログ」に収めてみてはどうかということになった。


パソコンにもまだ慣れない作業ではあるが、少しずつ始めて見たいと思う。何事にも、チャレンジして見ることには意味があるはずである。


当然のことながら、これを読む場合、アップする順番が逆になり不都合であるが、そこはご理解頂いて、先ずまずは本書の「表紙から目次まで」の短いところを試してみる。これがうまくできれば、順次アップして置きたいと思う。


前記のように本書は、いまから16年余もまえの20世紀末の作品である。21世紀を生きる、しかも早くも2011年の「3月11日」(大震災・原発事故)をも越えて、新しく生きようとする我々には、本書にどれほどの新しさがあるのか、それはお読みいただく方のご判断を待つ外はない。


ただ自著に対していま思うのは、ここで取り出して見た「宗教・人権・部落問題」に関する基本問題は、21世紀を生きる我々にとって、決して解決済みというわけにはいかないものを含んでいるように思われる。。